SE（システムエンジニア）を目指すなら知っておきたい『プライム案件』

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システムエンジニア（略してSE）を目指している学生や、未経験からSEへの転職を希望している人には、是非とも『プライム案件』という言葉を覚えていただきたいです。
なぜなら、就活や転職活動において、応募先企業を決める際の大きな判断材料になるからです。
プライム案件の意味や、プライム案件のメリット・デメリットを紹介します。

プライム案件とは

プライム案件についての説明する前に、システムインテグレーション（略してSI）、システムインテグレーションを行う業者（略してSIer）といった用語を分かりやすく説明します。

SIとは

クライアントの依頼を請け、システムを構築する際、クライアントの業務を把握・分析し、クライアントが抱える課題を解決するようなシステムの企画、構築、運用サポートなどの業務を全て請け負うことです。

SIerとは

「エスアイヤー」、もしくは、「エスアイアー」と読みます。
SIを行う業者を指します。
SIerはコンサルティングを中心とした業務がメインになります。

SIerが活躍する背景

以前は、自社内に情報システム部門を持ち、現在のSIerが行っている業務は自社で行っていた企業もありましたが、ITシステムの高度化によって、自社内に情報システム部門を持つより、アウトソースする方が効率的だと考える企業が増えたため、SIerが活躍するようになったのです。

プライム案件とは

クライアントとSIerが直接契約を締結する案件のことです。
クライアントと直接契約を結ぶのは当たり前と考えるかもしれませんが、ITシステムが高度化・巨大化している現在のIT業界においては、建設業界と同じように、一次請け、二次請けのように、多重構造になっているのです。
つまり、クライアントと直接契約を結ぶというのは、建設業界でいうところの元請けになります。

プライム案件のメリット（企業編）

クライアントと直接契約を結ぶプライム案件は、企業にいくつかのメリットがあります。
ここでは、企業にとっての3つのメリットを紹介します。

利益率を高く設定できる

プライム案件を受託する企業が元請けとして、下請けの企業に外注することになりますが、当然、受注金額より自分たちの利益を抜いた上で、下請けの企業に発注します。
下請けの企業の中には、受注金額を下げてでも仕事が欲しい企業もたくさんありますから、プライム案件を受託する企業は少しでも自分たちの利益を上げることができます。

納期の融通が利きやすい

クライアントと直接交渉できるプライム案件を受託する企業は、納期の面でかなり融通が利きやすいです。
逆に、下請けの企業は、元請けの企業が設定した納期を守るしかありません。

次の仕事に繋げることができる

プライム案件を納品した後にも、システムの保守や運用の仕事を提案することができます。
また、クライアントの反応を直接確認できるのは、プライム案件を受託する企業だけですので、クライアントの反応を確認しながら、今後の仕事に活かすことができます。

プライム案件のメリット（SE編）

企業にもメリットのあるプライム案件ですが、プライム案件を扱う企業で働くSE個人にもいくつかのメリットがあります。
次は、SEにとってのメリットを3つ紹介します。

クライアント先常駐がほとんどない

プライム案件を扱う企業は、秘密保持の観点により、自社内で開発するのがほとんどです。
したがって、プライム案件を扱う企業のSEになると、SEにはよくあるクライアント先常駐といったことはほとんどありません。

上流工程の経験を積むことができる

プライム案件を扱う企業は、クライアントよりニーズをヒアリングし、要件定義や設計を行い、下請けの企業に作業を指示します。
システム開発の重要な部分である要件定義や設計に携われるというのは、エンジニアにとって貴重な経験と言えます。

給与や福利厚生が充実

プライム案件を扱う企業は下請け企業より大きな利益を得ていますので、当然、プライム案件を扱う企業で働くSEは、下請け企業のSEより給与が高く、福利厚生が充実しています。

プライム案件のデメリット

企業としてのデメリット

クライアントと直接契約することで高い利益を得ることができる一方、それだけの責任も生じます。
下請け企業が起こしたミスでも、クライアントの信用を失い、契約を解消されてしまうこともあります。
また、下流工程の作業は下請け企業に委託するため、自社のSEが育ちにくいという点もデメリットでしょう。

SEとしてのデメリット

メリットとして、上流工程の経験を積むことができるとお伝えしましたが、その一方で、自分でプログラミングを組むことがほとんどないため、技術面での成長が見込めません。
最新の技術をどんどん吸収していきながら、SEとしてのスキルを磨きたいと考えている人には、プライム案件を扱う企業で働くのは物足りないと思うかもしれません。

就活や転職活動での企業選びの判断材料になる

ここまで、プライム案件の意味や、プライム案件のメリット・デメリットについて紹介してきましたが、プライム案件を扱う企業と、そうでない企業の差は理解できたかと思います。
SEへの就職や転職を考えているのであれば、応募先企業がプライム案件を扱っている企業なのかどうか、慎重に確認すべきでしょう。